2006年08月11日

ソフトグランド

◆Non-Toxic Intaglio 技法による
ソフトグランド エッチング

従来からある油性のソフトグランドの代わりに、水溶性絵の具を使う方法で実験してみました。
s-gland.jpg

□ソフトグランドの作り方
ガラス板やトレーで
水溶性版画絵の具(サクラクレパス)2〜3容量に
ジェルメディウム(リキテックス)1容量を混ぜてよく練る。

□塗布の方法
ゴムローラーにつけて何度も転がしてよくのばす。
銅版に縦横斜めから転がして薄くむらなく塗布する。

□描画
塗布後は時間の経過とともに硬化し最後は固まってしまうので、固まるまでに描画し終えなければならない。

塗布した直後はベタベタして柔らかすぎます。適度なソフトグランドの粘り具合になるように少し乾燥させる。
[例]
A. 自然乾燥で10〜20分間乾燥した後に描画。
B. 電熱器(ウォーマー)で30秒〜1分加熱して描画。
(好みの粘り具合になるようにテストしてみて下さい。)

□描画材料
・トレーシングペーパーを版の上に当てて、5Hの先の尖った鉛筆とHBの先の丸い鉛筆の2種類で描画。
・人差し指をグランドに押し付けて指紋をつくる。

□描画後
版を電熱器(ウォーマー)で3分加熱して乾燥、硬化させる。

□腐食
エジンバラエッチ液で10分間腐食。

□ソフトグランドの除去
版を10%の炭酸ナトリウム水溶液を入れたバットの中に浸けて除去する。数分間浸けておくと除去できるが、筆で軽く擦るとすぐに剥がれてくる。

炭酸ナトリウム水溶液は繰り返し使用できますが、水道に流す場合は除去したソフトグランドをキッチンフィルターなどでこしてから流すと良いでしょう。

□除去後の版
銅版の表面に波紋のような模様がうっすらとつくことがある。これは水溶性絵の具に含まれる水分が銅と反応してできたのではないかと思うが、、? 
腐食はしていないのでピカールで磨けばきれいに取れた。

□注意すること
塗布の状態が悪い場合や完全に乾燥していない場合、また長時間の腐食では、上記の波紋のような模様に腐食してしまうことがある。

□結果
鉛筆で描いたテクスチュアーをつくることができた。
鉛筆の種類によるテクスチュアーの違いもよく判別できた。
指紋もできた。

ソフトグランドの粘り具合の調節がキーポイント。


このソフトグランド技法についてはもう少しいろいろな実験してみるつもりです。
(鳥の羽根や葉、レースーなどの物質の転写も含めて)
また報告したいと思います。
posted by Studio at 17:11 | 京都 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | ソフトグランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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