”フォトポリマーフィルム”ってご存知ですか?
「感光性樹脂フィルム」と訳しています。
これでフォトエッチングができます。(手描きのイメージに加え、写真やCGのイメージを使った表現などが出来ます。)
もともとは産業界で半導体分野や印刷分野での需要に応えてきたものを芸術(版画)に転用したものです。
今までは、銅版画の中で写真製版の技法は手が出しにくいと思っていた人にとってもより身近かになるのではないでしょうか。
従来、銅版画でフォトエッチングをする場合は、感光液やシンナー、現像液、剥膜液などの有毒で引火性のある液体の使用が不可欠でしたが、フォトポリマーフィルムを使えばずっと安全に作業でき廃液処分に困ったり環境を汚染することもありません。特に大掛かりな設備も無く作業できます。何よりも自分自身の健康被害の心配がなく、また周囲の空気を汚染することもありません。
[原理]
光が照たると硬化するフォトポリマーの性質を利用しています。
[方法]
1. 原稿には透明なフィルムやOHPシートなどにモノクロでプリントアウトした写真やCGイメージ、または手描きのイメージなど、光を通す部分と遮断する部分があるポジフィルムを使います。
2. フォトポリマーフィルを銅版に貼付けます。
3. 原稿をフォトポリマーフィルの上に密着させて紫外線を照てます。
ー図の解説ー
1) 紫外線で露光する。紫外線が照射された部分のフォトポリマーフィルムは硬化する。
2) 1%の炭酸ナトリウム水溶液で現像すると紫外線が照射されなかった部分のフォトポリマーフィルムは溶けてしまう。
A. 銅版を腐食させる場合は、フォトポリマーフィルムが防蝕のグランドの役目を果たします。
B. フォトポリマーフィルム自体に凹凸が出来るためそのままインクを詰めて印刷することもできます。腐食しない場合は、固い支持体であれば銅板以外のものを使うことも出来ます。
紫外線露光機はケミカルランプをつなぎ合わせて自作可能。
ケミカルランプは人体に有害な範囲の紫外線をカットしてありますが、目のためにあまり直視しない方がいいと思います。
太陽光でも露光できますが、光量(紫外線量)の把握が出来ないので自然まかせということになります。
作業は初めはうまくいかないかもしれませんが、慣れればうまく出来るようになると思います。
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