2006年07月22日

アクリル・リフトグランド

アクリル水性グランドを使用したリフトグランドを紹介します。(*1)

版画用油性インクにオリーブ油を少量混ぜたもので版に筆などで描画します。(*2)
olive2.jpg olive.jpg

byuga2.jpg byoga.jpg

アクリル水性グランド流し引きするか、または、エアーブラシで吹き付けて全面マスキングします。
airbr.jpg

電熱器(ウォーマー)で版を30秒〜1分加熱して完全にグランドを乾かします。

サラダ油を版につけて、ウエスで油性インクを拭き取ります。

描画した部分がグランドとともに除去されて銅の表面が現れます。

食器洗いに使う洗剤とスポンジで版を水洗します。

クレンザーとスポンジで版を洗い脱脂します。

版を腐蝕液に数秒浸けて描画部分が確実に腐食するか確かめます。

このまま腐食を続けるとディープエッチングになりますが、アクアチントを施すために、
版に醤油をかけることで中和すると同時に酸化膜も除去します。念のためクレンザーを含んだスポンジで洗い、脱脂します。


アクリル水性グランドを使用したアクアチント

エアーブラシを使い、版にアクリル水性グランドの細かい粒ができるように吹き付けます。
airbr2.jpg

電熱器(ウォーマー)で版を30秒〜1分加熱して完全にグランドを乾かします。

タテ型腐蝕タンクに入れたエジンバラエッチ液で3分間腐食しました。
aqua.jpg

炭酸ナトリウム水溶液に5〜10分浸してアクリル水性グランドを除去します。
h722-1.jpg

試し刷り
harumi7-22.jpg



(*1)伝統的技法では、砂糖の飽和溶液に墨とアラビアゴムを混ぜたものなどを用いて版に描画し、その後、伝統的なグランド(アスファルトを原料とした油性)を流し引きします。

(*2)グランドを流し引きした時に、描画した油性インクが軟らかいなどの原因で、もし少し流れるところがあるときは、冷蔵庫で版を冷やせば描画部分が固くなります。

posted by Studio at 19:58 | 京都 ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | リフトグランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
土曜日はありがとうございました。
前回に比べて、すんなりと絵が出来上がっていくのでほっとしました。
次回で、最後の授業ですが、きちんと仕上げたいと思っています。

前回のきのこの版ですが、もう一枚刷ってもよいでしょうか???紙は持参しますので・・・。
Posted by はるみ at 2006年07月25日 13:11
早いものでもう次で6回目なんですね。いつも遠路ありがとうございます。きのこの版もどうぞ刷って下さい。では次回お待ちしています。
Posted by Studio at 2006年07月25日 14:03
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