2007年04月24日

新しいソフトグランド

デンマークにある版画工房 "Grafisk Eksperimentarium" は professor at the Academy of Fine Arts in Granada, Juan Carlos Ramon Guadix氏が新しいソフトグランドを開発したと伝えています。
水溶性版画絵の具を使うソフトグランドは乾燥して固まるまでに描画し終えなければなりませんでしたが、このソフトグランドは決して固まることがないそうです。そして、以下のものを混ぜ合わせて自分自身で作ります。

150g bee wax ― 蜜蝋
75g resin colofonium (used for tradicional aquatint) ― 松脂
500g black lithographic ink ― 黒色のリトグラフインク
150g lard ― ラード

このグランドの塗布はウォーマー(ホットプレート)で版を加熱しローラーで均一な薄い層にのばします。
このソフトグランドはサラダ油で除去できます(有機溶剤を使う必要はありません。)

そこで、上記の材料の1/10の量でテストしてみました。
den-soft-g.jpg
写真、左から
晒しミツロウ(クサカベ)
松やに(新日本造形)
サクラ版画絵具油性BLACK
ラード(雪印、チューブ入り)

リトグラフインクはサクラ版画絵具 油性を使用しました。

1). 松やにを陶器の乳鉢ですりつぶして粉末にします。
2). ミツロウを加熱して液体にします。
3). サクラ版画絵具にラードと粉末にした松やにと液体になったミツロウを加えます。
4). これを加熱しながらさらに良く混ぜ合わせます。
5). 冷めると半練り状になります。
den-soft-g3.jpg
作ったソフトグランド。

den-soft-g2.jpg
テストピースを作りました。
薄い紙の上から5Hの鉛筆で描いた部分と
紙の上から指でこすった部分と
グランドに直に指を押し付けて指紋をつけた部分をつくりました。
(エジンバラエッチ液で20分間腐食)

den-soft-g1.jpg
刷り

この方法もうまくいきそうです。
ぜひ試してみて下さい。

追記:
ソフトグランド用の腐蝕液。
ソフトグランドの場合は、塩化第二鉄液 3に対して、水 7で希釈した腐蝕液に30分ほど浸けます。
ハードグランドに使う腐蝕液では強すぎるので、ソフトグランドが剥がれてしまいます。
エジンバラエッチ液では、エジンバラエッチ液 1に対して、水 2弱で希釈し、20分程腐蝕。
posted by Studio at 18:01 | 京都 ☁ | Comment(5) | TrackBack(0) | ソフトグランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

 

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